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2008年8月27日 水曜日

天国と地獄

 アンディーウォーホル、キースへリング、ベルナールビュッフェ、マティス、加山又造、金子國義、合田佐和子、司修、秋山裕徳太子、寺山修司、浅井慎平、田嶋徹、池田満寿夫、大竹伸郎、中西夏之、平賀敬、中野ユリ、矢吹申彦・・・
 この名前は先日とあるところでおこなわれたオークションの出品リストに載っていたごく一部の名前である。
 このオークションに出品された作品は600点をはるかにこえていた。作家名も100人はこえていると思われた。店主、このオークション会場に、偶然にももぐり込んでしまった。

 最初、オークションと知らずに気楽な気分で、ドアを開けてそのギャラリーに入ると、かなり広いギャラリーなのだが、そこのすべての壁という壁に無数の絵、版画、ポスターがかけられ、並びきらない絵がところ狭しと直接、床に置かれいた。
 混乱と無秩序、絵の傾向など関係なしに、次から次へと隙間なく並ぶ作品。しかも、並べられるのは一流の画家の絵である。店主、こんなカオスのような飾り方は見たことがない。
 まるで、どこかの宝物殿に迷い込んだ気分。どの作品もキラキラと輝き、息もつけない。凄い!っと言葉を失い、唖然とだだ見入っていた。まるで天国にいるような気分だった。
 まだ、その時は名前もついていない作品が多く、カードには無造作に番号と値段が書いてある。なかには「成行」とだけ書いてあるものもある。「成行」・・・?
 値段も信じられないほど安い。20,000円から100,000円ぐらいのものが大半をしめる。店主の感覚ではとても信じられないお値段である。これは後でわかったことだが、これは最低落札価格である。
 ここのオークションは入札によっておこなわれる。ネットオークションのように価格がつり上げられることはない。自分が買える金額を書いて箱に入れるだけ。
 店主も欲しいと思う作品が何点もあった。それにしても最低落札価格がとても安いような感じがする。もしものこの最低価格で売れてしまったら・・・と、考えだした瞬間、奇妙な不安をおぼえた。
 この場所に入ったときは、まるで天国にいるような気分だったのに、まわりの状況を理解するにつれて、これは途轍もない場所に迷い込んでしまったことを悟った。
 つまり、この場所は作品が天国に行けるのか地獄に行ってしまうのかを決める市場なのである。ここでようやく「成行」とは、最低落札価格を決めていない作品を指していると理解した。(実際は最低落札価格が一万円で、「成行」とはギャラリー側が作品に対して保証しない作品をさしている)
 店主も入札するかどうかとても悩んだが、今回はあまりにショックが強く、冷静な判断ができないと思い、あきらめた。
 で、今日、その落札価格が発表された。600点をこえる作品のうち、落札されたのは236点。なんと、店主が気になった作品は、自分が予想した金額で買えていた・・・
 すべての事柄には光と闇が同時に存在する。つまり天国と地獄は同時に存在していることを、店主はこのオークションで学んだ。
 

投稿者 店主 : 2008年8月27日 20:04

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