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2010年2月 3日 水曜日
ミステリーゾーン
1月10日を最後に微かな気配が消えた。最後の言葉が「すべてが幻のようだ...」
以後、プッツリと気配が消えた。
不安な日々がスルスルと流れ、雪が降った朝、店主の中に妙な焦燥感が生まれた。
あの白い猫はどこに消えたのか・・・
そして今日、意を決して魔界渋谷に向かった。渋谷に足を踏み入れるのは一年ぶりのコト。この魔界を突き抜けなければ、あのミステリーゾーンには辿り着けない。
中央線で新宿にでる。駅にはすでに息苦しくなるほどの人の群れ。人身事故のアナウンスが流れている。山手線が止まっている。ホームには虚ろな目をした人があふれいた。魔界渋谷は遠い。
しばらくすると山手線が動きだし、ホームで待つ人たちが一斉に電車に乗り込む。店主もこの人の流れに呑み込まれながら、電車に詰め込まれた。
ようやく渋谷に着く。まるで植物がない・・・この人たちはいったいどこに行くのか。
人混みを縫うようにして、ミステリーゾーンに向かう。
そこには恐怖の坂がある。この坂、ボールを置くと転がり落ちることはない。スルスルとボールが勝手に坂をのぼっていく。
人がこの坂に踏み入ると何がおこるのか・・・と、思いつつその坂に足を踏み込むと、途端に人の気配が消えた。今まであれほどいた人々が消えている。背筋が冷たくなる。
ここにも植物は何一つない。店主の目指すミステリーゾーンはビルの三階。人の気配が全くない建物にそっと足を踏み入れた。
コツコツと自分の足音を聞きながら、目指すドアの前に立った。やはり人の気配はない。すべての時間がここでは十年以上も前から止まっている。ロスト・ワールドか。
ドアのノックをするが何も応答がない。しばしてまたノックをする。やはり応答はない。思い切ってドアを引いてみる。ドアは音もなく開いた・・・
そこには人の形のようなモノが横たわっていた。ビタミンTeeの石塚ですがと、声をかけると、不意にその人の形をしたものが、時間の壁を打ち破るようにして立ち上がった。
店主の求めていたあの気配が、舞台衣装があふれた部屋にブワ〜ッと膨れ上がった・・・
気がつくと青山トンネル付近で一枚の紙をもってたたずんでいた。紙には「なんきんの幻の宝物展」と描かれ、その横にあのワルちゃんがニッコリと笑っている。
何がおこったのか?店主にもわからないが、握りしめた紙にはミステリーゾーンの主に会えたことを物語っている。そして安堵感が全身を優しく包んでいた・・・
ん!これも幻か・・・
《なんきんの幻の宝物展》 なんきん画伯の10年以上ぶりの個展です。
期間 : 2月26日[金]〜 3月6日[土]・12:00〜19:00(最終日17:00)水曜定休
投稿者 店主 : 2010年2月 3日 18:41
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