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店主は老眼である。昔から目がよかったので、老眼になるのも早かった。しかし、いまだに老眼鏡にはなれない。いつも置き忘れて狭い工房の中を捜しまわる。徘徊オヤジである。なので、工房には複数の老眼鏡がキープされている。
ところが最近、ますます老眼が進んだようでどの老眼鏡もあわず、細かい仕事が苦痛になっている。今日も注文を受けたメランコリーの薔薇をカットしようとしたが、うまく行かない。窓辺の明るいところで作業しようと移動して、何気なく使用していない眼鏡に気が付いた。その眼鏡を眼鏡の上にかけてみた。二重眼鏡である。すっ凄い!手許が別世界のように見える。店主は興奮して、これは凄い発見だとスタッフに声をかけた。すると、爆笑がおこった。やれやれ、発見とは時に人をひょうきんものにするようだ。
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