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2009年12月21日 月曜日

威勢

 店主、時代小説が好きである。気に入っているものなら何度でも読む。
 で、最近、妙に忙しくて(全然お金にはならないのだが)、古本屋へ行けない。買いだめた本も底をつき、それならと昔読んだ本を引っぱりだしてきた。
 池波正太郎の剣客商売(けんかくしょうばい)は読み終わって(三回ほど)から、一年はたっているので、そろそろ細かいところは忘れたとみて、また読みはじめた。
 剣客商売は全部で16冊。番外編を入れると19冊もある。今日の朝、読んだのは2冊目の「辻斬り」のなかの第1話「鬼熊酒屋」である。歳をとってくると、この手の人情話にはとても心ひかれる。
 で、一冊めの剣客商売の第1話「女武芸者」を読んだとき妙な事を考えた。若い佐々木三冬という女武芸者を無外流の達人である老剣客、秋山小兵衛が救うという話。
 この佐々木三冬は田沼意次の妾腹の娘という設定。あのワイロ政治で有名な田沼意次である。剣客商売の中ではこの田沼意次はワイロ政治とは、まったく正反対の人間として描かれている。

 秋山小兵衛が三冬に諭すように話すところがある。
・・・・・・・・・・
「現に見なされ。巷のごろつきどもでもあることか......れっきとした五千石取りの大旗本が何のわけがあったか知れぬが、せがれの嫁に迎えようという女の両腕の骨を、いかがわしき曲者どもをつかって叩き折ろうという。まことにばかばかしい世の中になったものよ」
「それもこれも、武士たるものの覚悟がないから......」
「もうよいわえ。のう、むすめご。田沼さまのもとへ、帰ったらいかがじゃ?」
「父が......父が、もっと別のお人でしたら......」
「御老中の威勢が、気にくわぬか?」
「汚ならしいとおもいます」
「政事は、汚れの中に真実を見出すものさ」
「わかりませぬ」
・・・・・・・・・・
 ふと、このとき、唐突な感じで、店主の頭を小沢一郎の顔がよぎった。
 店主は小沢一郎は好きではない。しかし、否定しがたい何かがあるのは確かなようだ。先日も天皇をめぐる発言で、マスコミによって悪者に仕立て上げられた。
 そんなコトも影響してか、剣客商売の田沼意次と小沢一郎が結びついたのかもしれない。
 「政事は、汚れの中に真実を見出すものさ」・・・・・なるほどネ。

 池田信夫blog・天皇は超法規的存在ではない

投稿者 店主 : 2009年12月21日 16:46