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2018年1月 7日 日曜日

ぞろりぞろりとやさいがね

 お正月の二日に雑木林を覗きに行ったついでに、西国分寺の本屋「隆文堂書店」に行った。そこで去年、発売になった養老孟司の《遺言。》という本を買った。

 内容は「動物とヒトの違いはなにか? 私たちヒトの意識と感覚に関する思索――それは人間関係やデジタル社会での息苦しさから解放される道にもなる。「考え方ひとつで人生はしのぎやすくなりますよ」、そう著者は優しく伝える。」

 その中の六章「意識はそんなに偉いのか」というところにこんな記述がある。《養老孟司「遺言。」 (新潮新書) 2017/11/16発行》

 「現代人は意識の世界に生きている。だから秩序正しく生きる。新幹線は時間通りに来るし、山手線が三分遅れると、謝罪のアナウンスが流れる。じゃあわれわれは本当に秩序を立てることができるのか。部屋の掃除を例にとろう。一週間放置しておくと、部屋の床にはゴミやホコリがランダムに散らばってしまう。そこで掃除機を持ち出して、ゴミを吸い取ってしまう。ランダムなゴミが消えるから、たしかに部屋の床は秩序が高くなる。でも掃除機の中を考えてみよう。先ほどよりも明らかにゴミが増え、しかもそれがランダムに積み重なっているはずである。この操作をしばらく続けると、掃除機がいっぱいになってしまう。仕方がないから、掃除機の中身をゴミ箱に捨てる。そのゴミも放置すればいっぱいになる。だからやがて自治体の収集車が来て、ゴミを運び出す。ゴミの秩序は戻るが、車の中はゴミだらけである。それを焼却炉で燃やす。すると燃えるゴミ、つまり炭素を含んだ高分子が水と炭酸ガスという小さい分子に変化する。こういう小さい分子はいままで高分子の中に秩序的に固定されていたのだが、いまや自由自在に外界を飛び回る。つまり外界にランダムな分子運動が増える。しかもその過程で掃除機はエネルギーを使い、結局は水と炭酸ガスを増やす。結論は何か。部屋がきれいになった分だけ、ランダムな分子運動が増え、おそらくそれで世界は温暖化する。」

 この本、まだまだ怖い話がたくさん書いてあるので、興味のある方は買って読んで下さい。


 で、昨日、ひろかわさえこさんから偕成社から出版された絵本《ぞろりぞろりとやさいがね》をいただいた。しかもフルカラーで、ひろかわさんのサインが描き込まれいる。(⌒-⌒)

 内容は「台所のすみで、すっかり古くなったやさいたち、月夜の晩ぞろりぞろりと家を出ていきます。さて、どこにいくのでしょう?やさいたちは、自分たちをわすれて、すっかりだめにした人間たちを恨んで、怒りの集会を行っていたのです・・・」

 早速、読んでみてと思わず仰天してしまった。何と先に引用した養老孟司氏のエントロピーの増大に対する一つの答えが、そこには描いてあった。無論、表現方法は絵本だから、子どもが楽しめるように描いてあるが、内容そのものは現代社会が作り出す意識の矛盾に対する一つの答えである。

 まぁ、普通の人はそんなオーバーには思わないかもしれないが、店主には、オオッ、ひろかわさえこさん、でかした!っと思った次第です。

 もし、時間と余裕があれば、この二冊、養老孟司氏の《遺言。》と、ひろかわさえこさんの絵本《ぞろりぞろりとやさいがね》をあわせて買って読んでみて下さい。まったくかけ離れたような二冊の本ですが、多少、人生観が変わるかもしれません・・・かな。(^_^;

 あとこの『ぞろりぞろりとやさいがね』の原画展が1月11日(木)から、横浜市南区大岡のクーベルチップさんであるようなので、お近くの方はお立ち寄り下さい。
 
 
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 (C) ひろかわさえこさんの絵本《ぞろりぞろりとやさいがね》偕成社
 
 
 ひろかわさえこ『ぞろりぞろりとやさいがね』原画展
 会期:2018年1月11日(木)〜2018年1月28日(日)
 会場:クーベルチップ 神奈川県横浜市南区大岡2-1-17
 
 1月27日(土)には、ひろかわさんによるトークイベント&サイン会
 日時:13:30〜15:00 定員:15名
 参加費:小学生500円、中学生以上大人1000円
 要申込:TEL 045-334-8702

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投稿者 店主 : 2018年1月 7日 16:56